情報の文明学
- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1999/04/01
- メディア: 文庫
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「情報業」の定義、工業を前提とした現状の経済学が、価格決定などの面も含めて情報財を取り扱う際に適切か、体験情報、生産技術など、情報の役割を的確に見抜いており、40年以上前に書かれたものとは到底思えない。確かに今となっては、どこかで聞いた話だという受け取り方が出来るが、その当時聞かされたなら理解は出来たかもしれないが、行動にまで移せたかどうかと言えば難しかったであろう。また、放送業界への危惧、粗雑工業社会から脱却などは正にといったところである。そして、「粗雑工業社会」からうまく脱却したのはトヨタなんだろうか。
情報の定義とそのまぶし方を非常に自然に捉えているため、非常にしっくりくる。コンニャク情報論などはその一つであろう。